【2023年4月施行】 民法改正!改正点6点を解説!~part2-Ⅱ~
豆知識2023.04.27
~はじめに~
2023年4月に施行される民法改正は、近年、問題となっている所有者不明土地(所有者が不明な土地・所有者が判明していてもその所在が不明な土地)
の問題の解決を目的として、不動産登記法等の改正とともに行われました。
民法では、所有者不明土地の利用・管理を行いやすくするため諸制度(共有制度・財産管理制度など)の見直しが行われ、
所有者不明土地を利用しやすくなるような改正がなされています。
所有者不明土地は、今や国土の20%以上(2017年国土交通省調査)といわれており、不動産取引や不動産管理を行う際に問題となる事例も多くなっています。
また、所有者不明土地の中には長期にわたり放置されているものもあり、相続の際、予期せず問題に直面する可能性もあります。
この機会に、今回の改正で、共有制度、財産管理制度、相続制度や相隣関係がどう変わったか、再確認してはいかがでしょうか。
この記事では、2023年施行の民法改正のポイントを分かりやすく解説していきます。
2.相隣関係規定の見直しについて
相隣関係規定は、相隣関係にある土地の利用を調節するために定められた民法上の規定となります。
今回の改正では、隣地が所有者不明土地等である場合を想定した相隣関係規定の見直しが行われました。
主に以下の3点が改正されました。
Ⅱ.ライフラインを自己の土地に引き込むための設備を隣地に設置する権利の明確化
Ⅲ.隣地が所有者不明土地である等の場合に越境した枝の切除を自らできる権利を創設
2-Ⅱ. ライフライン設備の設置・利用に関する権利の明確化
生活様式の変化や技術の発展に伴い、電気、ガス、水道などの現代的なライフライン設備(生活に不可欠な設備)が生まれましたが、
これらの設備を自分の土地で使用するため、他人の土地や設備などを利用しなければならないこともあります。
しかし、旧民法では、排水のための低地の通水(旧民法220条)等の規定はありましたが、電気、ガスなどの現代的なライフラインの設置に関しては明確化されていませんでした。
そこで、今回の改正では、電気、ガス、水道などの現代的なライフラインを念頭に、以下2つの権利が明確化されました。
①.必要な範囲で他の土地にライフライン設備を設置する権利(以下「ライフライン設備設置権」)
②.他人が所有するライフラインの設備等を使用する権利(以下「ライフライン設備使用権」)
ライフライン設備設置権は、他の土地に設備を設置しなければ電気・ガス・水道水の供給その他これらに類する継続的給付を受けることができない場合に認められます。(民法213条の2第1項)
ライフライン設備の設置・使用の場所及び方法については、他の土地又は他人が所有する設備のために損害が最も少ないものを選ばなければなりません。(民法213条の2第2項)
また、ライフライン設備設置・使用権を行使するときには、あらかじめ、その目的、場所及びその方法を他の土地の所有者及び他の土地を使用しているものに通知しなければなりません。(民法213条の2第3項)
続きは後日アップします。少しでも参考になれば幸いです。
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