【2023年4月施行】 民法改正!改正点6点を解説!~part5-Ⅱ~

【2023年4月施行】 民法改正!改正点6点を解説!~part5-Ⅱ~

豆知識2023.05.17

【2023年4月施行】 民法改正!改正点6点を解説!~part5-Ⅱ~

~はじめに~

2023年4月に施行される民法改正は、近年、問題となっている所有者不明土地(所有者が不明な土地・所有者が判明していてもその所在が不明な土地)

の問題の解決を目的として、不動産登記法等の改正とともに行われました。

民法では、所有者不明土地の利用・管理を行いやすくするため諸制度(共有制度・財産管理制度など)の見直しが行われ、

所有者不明土地を利用しやすくなるような改正がなされています。

所有者不明土地は、今や国土の20%以上(2017年国土交通省調査)といわれており、不動産取引や不動産管理を行う際に問題となる事例も多くなっています。

また、所有者不明土地の中には長期にわたり放置されているものもあり、相続の際、予期せず問題に直面する可能性もあります。

この機会に、今回の改正で、共有制度、財産管理制度、相続制度や相隣関係がどう変わったか、再確認してはいかがでしょうか。

この記事では、2023年施行の民法改正のポイントを分かりやすく解説していきます。

5. 相続制度の見直し

今回の改正では、相続制度について、以下のような改正が行われました。

 

Ⅰ.長期間経過後の遺産分割の見直し

Ⅱ.遺産共有持分が含まれる共有物の分割手続の見直し

Ⅲ.相続財産の管理に関する規律の見直し

Ⅳ.相続財産の精算に関する規律の見直し

 

 

5-Ⅱ. 遺産共有持分が含まれる共有物の分割手続の見直し

相続が発生した場合、相続開始から遺産分割が終了するまでは、遺産は相続人間での共有となります(遺産共有)。

そこで、例えば、ある物件を兄弟間で共有していたが(通常共有)、兄弟のうち1人が死亡した場合、死亡者の財産についての遺産分割が終わるまでは、

死亡者の共有持分は相続人間の共有(遺産共有)となるため、その物件については、通常共有と遺産共有が併存することになります。

このように通常共有と遺産共有が併存する場合、旧民法では、共有物分割と遺産分割の両方を行わなければ遺産共有持分の分割ができませんでした。

そこで、今回の改正では、相続開始から10年が経過した場合、相続人から異議等がなければ共有物分割訴訟のみで遺産共有持分の分割ができるようになりました。(民法258条の2第2項)

なお、共有物分割をする際の遺産共有持分の解消は、具体的相続分ではなく法定相続分又は指定相続分が基準となります。(民法898条2項)

 

続きは後日アップします。

少しでも参考になれば幸いです。

 

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