大切な実家を空き家にしないための手引き！第1章 実家の「争族」対策 1-3遺言書の書き方
豆知識2023.09.13
大切な実家を空き家にしないための手引き！第1章 実家の「争族」対策 1-3遺言書の書き方
はじめに
少子高齢化や人口の減少などを背景に空き家が増え続けています。 中でも空き家が増える理由の一つに、 実家の相続問題があります。
相続問題といっても内容は多岐に渡り、例えば、相続人同士の意見が合わなかったり、実家を処分することに対する罪悪感、
未登記による所有者の不明、そして相続不動産を売却したり人に貸したりすることができない認知症発症問題といったものが挙げられます。
これらを回避していくには、相続について正しい知識を持つ、どのような相続にしたいのかを考える、それを家族と相談する、
最後に遺言書などでその思いを遺すの4つの作業が必要になってきます。
これから自宅を相続させたり、 実家を相続したりする方が、トラブルなく幸せな相続が迎えられることとなれば幸いです。
～目次～
第1章 実家の「争族」対策
1-3遺言書の書き方
第2章 トラブルを深刻化させない認知症対策
第3章 相続した人がやるべきこと
第4章 子どもに迷惑を掛けない実家の適正管理
4-2空き家を利活用するまでの管理方法とは
第1章 実家の 「争族」対策
空き家の多くは実家。実家は思い入れのある人同士が相続するケースが多いため、親の想いをきちんと共有することがトラブルを防ぐためには重要になってきます。
1-3遺言書の書き方
遺言書は、自身の想いを遺された人へ伝え、争いごとを防ぐことに適した媒体です。ただし、書き方を誤ってしまうと、無効になってしまうこともあるので注意が必要です。
ⅰ.遺言書の種類
遺言書で主に利用されているのは、自筆証書遺言と公正証書遺言の2種類です。それぞれにメリット、デメリットがあるので、自分に合った方法を選ぶようにしましょう。
ⅱ.遺言書を有効にするための要件
遺言書は、書いたご本人が亡くなってから効力が発生し、遺産を受け取る人には大きな影響を及ぼすので民法で厳格に有効要件が決められています。なるべく専門家に相談の上、作成しましょう。
≪自筆証書遺言の作成において無効となるもの≫
◆パソコンで作成されたものや、本人が全文を書いていないもの (ただし、相続財産目録はパソコンでも可能) ◆日付が正しく記載されていないもの
◆判断能力を喪失した人が作成したもの◆署名がないものや他人が署名したもの◆押印がないもの◆相続する財産が曖昧で不明確なもの◆遺産を渡す相手が曖昧で不明確なもの
ⅲ-3.遺言書への不動産の書き方
自宅を含む不動産を相続させる場合、その不動産がどの不動産なのかをきちんと詳細に書かなければなりません。不動産について遺言書で定める場合は、以下の点に注意するようにしましょう。
☑土地はすべて書く
土地は不動産を購入した時の権利証、契約書を見ながら記入すると良いでしょう。道路やゴミ置場の持分も忘れずに。
☑土地だけでなく建物も忘れずに書く
土地と建物は別々の資産であるため、両方とも明記する必要があります。
☝ポイント! 遺言書作成時の注意点~ 遺言書には付言を!
遺言書は、主に遺産の渡し方における結論だけをまとめて書かれるものですが、相続人の中には、その内容に納得できないと思う人もいます。
そういった時に「自身の財産分与に対する考え」や「これまでの感謝の気持ち」、「遺された方の将来を案じた思い」などが書かれた「付言」があると、より遺言内容に対する理解が得やすくなり、相続トラブルを防ぐことができます。
<付言の文例>
私にとって太郎と花子はともにかけがえなのない存在で、家族で過ごした時間は私の何よ りの宝物です。この家族の幸せがこれからも続くことを祈っています。私は遺産を巡って2人が争うことを望みません。
相続争いなどをせず、各々自覚を持った行動を取ることを望んでいます。私の遺産については全てを花子に相続します。花子は私の介護のために会社を退職しました。
花子のキャリアを犠牲にしてしまい申し訳なく思っています。本当にすまなかった。前のような仕事を見つけるのは難しいかもしれないので、私の遺産をこれからの生活の足しにしてください。
太郎は納得できないかもしれないが、花子のこれからの人生を思うと、住居と当面の生活費として私の遺産を渡したいと思います。どうか理解してほしい。
二人がこの遺言を尊重し、必ず納得してくれると信じています。私が亡き後も皆が円満である事を願っています。
続きは後日アップします。少しでも参考になれば幸いです。
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